わたしは、熱心なマンガファンではない。

 かといって、マンガを、否定もしていない。マンガは、日本の文化であるし、かつては「サブカルチャー」と、言われたが、今では「メインカルチャー」であるとも、思っている。マンガは、手軽に、楽しめるメディアであると思うし、世界に誇ってもよいと考える。

 ただ、惜しむらくは、量的に、氾濫しすぎ、質の面で、残念に思う所がある。今、本当に連載物で 楽しみなのは、ほんの2・3である。わたしの、偏見もあると、思うが、そう思う。

 わたしは、ときどき、とある「マンガ喫茶」へ行く。マスターとは、15年ぐらいの、付き合いであり、わたしにとって「マンガの師匠」といった存在である。わたしは、決まって
「最近、面白いマンガ ない?」
と、訊く。訊くが、大抵は、それを読まず、昔の、マンガ黄金期の話と、今の、ちょっと残念な、現在のマンガ界の話をする。それが、今の、楽しみとなっている。

 「谷口ジロー」氏のマンガも、そのマスターから教わり、読んだ数少ない(!)もののひとつである。10年程前である。最初は「ナックルウォーズ」か何かだったと思う。面白かったが、夢中になるほどではなかった。しかし、他の谷口氏ものも読むように言われ、言われるままに、読んでいった。すると、読みすすむうちに、今まで感じなかった感動を、おぼえた。

 ハードボイルドもの、アクションものも、よかったが、わたしは、「ブランカ」・「大いなる野生」などの、動物・野生ものに、魅力を感じた。

 その後、古本屋で、谷口氏の、マンガを、漁るようになった。多くを読むうちに、夢中になり、収集も、はじめた。著作は、それほど、多くなく、我が家の、住宅事情にとっても、幸いであった。

 そしてそれから、「谷口氏自身のこと」も調べたくなった。しかし、このことが、ながいながいトンネルに、入ることになることになるのだが、このときは、まだ、気づかなかった・・・・・。



 

2)谷口氏の作品との出会い